ニュージーランド自然紀行  3

　　トライアルパインツアーで、高原列車の旅とジェットボート体験

　 昨日の疲れか、７時に目覚める。８時出発にやっと間に合う。ボルボの大型観光バスに１９人で、最初の目的地のスプリングフィールド駅に向かう。今日の予定は、ここから高原鉄道に乗って、オティラ駅までの景観を楽しみ、そこからはバスに乗ってワイマカリリ渓谷でジェットボートをに乗り、そのあと牧羊犬の羊の追い込みや羊の毛刈りをみる。

　ガイドはJTBの滝沢さんという若い知的な女性、ドライバーは現地のロナウドさんといって、５０歳くらいか。長身に朱色に近い赤色のセーターがよく似合う。 ガイドさんによると、バス車中での飲食は、飴とか水を飲む以外は、法律で禁止されているとのこと、そして、立ってのガイドも禁止されているという。何故？と、思うけど、郷にいれば郷に従えということだ。

　　　おどけるガイドとロナウドさん　　　　　このページの写真は、クリックすると大きくなります。

　 郊外は、平屋の一戸建てが整然と並んでいる。どこの家の庭もガーデニングでとてもきれいにされている。物価は日本の半分ほどということだが、庭付きの一戸建ては１，０００万円ほどで買えるという。因みに米（オーストラリアからの輸入）は一キロ当たり９０円ということだ。

　 郊外にでると道路は、１００キロメートル/h規制で、日本の高速道路並。車も少ない。おもしろいのは、道路沿いに各家の郵便受けがたっていることだ。そしてそれには仕掛があって、ポスト脇の赤い印を立てておくと、郵便配達の人がその中の郵便物を持っていって配達してくれる。つまり、私製のポストになるのだ。

　　　　　普通の郵便受け　　　　　　　　　私製のポスト

　 ガイドによると車での事故はあまり聞かないという。市をはずれるとカンタベリー平原（80×160キロメートル）のまっただ中をひた走る。延々と続く牧草地に羊・馬・牛が長閑に草をはんでいる。 農家の規模は一戸当たり５〜１０ヘクタールの農地で、羊・馬・アルパカや牛の飼育或いは麦・果樹等をやっている。途中には、住人が１人だけとか１２人だけという村がある。一瞬、本当？と耳を疑ってしまう。

　　　羊の群（一日のうち１７時間食べているのだという）

　 駅舎は畑の中にぽつんとある。１０時発の電車は定刻に入ってきた。ジーゼル機関車にひかれ１０両編成くらい。座席はソファーのように座り心地がいい。テーブルもある。乗客は満席状態で、半分は日本人という感じ。展望車が 一輌ついている。とはいっても、窓がないだけといったもの。眺めはいいが夏といっても日本の１１月くらいの冷たい風が容赦なく当たってくる。３０分もいたら手が凍えてきてしまった。 この列車の旅は世界６大列車の旅といわれ、日本のTVでも、世界の車窓からという番組で紹介されたということだ。

　　　スプリングフィールド駅と列車      　　　 内部

　 平原をはずれると山地に入り、国立公園のすばらしい景観が続く。入り組んだ渓谷がすばらしい。景色を楽しむうちに１時間半はあっという間に過ぎ、下車駅のオティラ駅に着く。 バスに乗り換え、アーサー峠の途中にあるシャロットというスイスの山小屋風のレストランで、おいしい鹿肉をパイ包みにした料理をを食べた。デザートの手作りのアイスクリームと共に絶品だった。

　　　　　　　　　　　　　　　列車と車窓風景

　　　　　　　レストラン

　 バスから見る風景は、峠の上の方は苔むしたブナの原生林が密集しているところもあるが、多くの山が低い草木に覆われていて、山の合間の河原は、水は少ないが、広い河川敷の様相を呈している。

　　　ブナ（常緑）の原生林

　ジェットボートは初体験。３０人乗りくらいのボートに乗り、ジェット噴射による高速（７０�q/hくらい）で急旋回してスリルを楽しむもの。岩が迫ってきての急旋回では、女性たちの悲鳴がこだました。 ２０分ほどの、楽しい体験だった。運転手のリジニーさんはひょうきんな人で 、片言の日本語で私たちを笑わせてくれた。

　　　　　　ジェットボート

　 牧羊犬の羊の追い込みは、あっという間に二匹の犬が羊たちを主人のところへ連れてきたのには驚かされた。そのうちの一頭をショーで毛刈りをして見せてくれた。バリカンのようなもので、ほんの１〜２分の間で、丸裸にされてしまった。その間羊はおとなしくして、気持ちよさそうな感じだった。刈り取った毛は１キロ４ドル（２４０円）位で売れるという。一頭当たり（４キロ）１,０００円くらいになる。でも、一年に一回だけだ。

　　　牧羊犬と羊

帰ってきてから、近くの中華料理店で夕食をとる。二人で３,０００円。ビールを４本（一本３００ミリリットル位）も飲んでだから安い。味も良かった。