ニュージーランド自然紀行 5

午前はホッカー・バレー・ハイキング、それからバスでクイーンズタウンへ

 朝目覚めると、曇りで風が強そう。案の定、一行11人で出発してまもなく、先日買ったばかり(900円)の羊模様のキャップを吹き飛ばされてしまう。ガイドは若い日本人の女性。低気圧が来ているので、状況によっては目的地(第2の吊り橋)の前で引き返すかも、と、いう。結果的には無事そこまで行って来られたが、強風で身体をかがめて、風の収まるのを待つというのが何回かあった。

 地下に氷河が埋まっているというモレーンを見たり、氷河湖や迫ってくる氷河の様子を見たりと、見所はいっぱい。高山植物の花も数は少ないが、結構ある。でも、エーデルワイスの花の時、写真を取り損なってしまった。何時も肝心の時電池切れになってしまう。羊の毛刈りショーの時もそうだった。全くドジなんだから。

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     ホテルを背に       モレーン(左)と氷河湖 しょうめん山の雪は、氷河。

 話は変わって、日本人女性のバイタリティを目の当たりにした思いが強い旅だ。この日のガイドもそうだが、ホテル・おみやげ物店・レストラン等々この国の至る所に若い日本人の女性が働いているのを目の当たりにした。動機は、英語が勉強したいから、バブルがはじけて正社員になれそうもないからとか様々だが、日本がだめなら外国があるよという、グローバルの姿勢も素晴らしいと思う。そして、みんな生きいきして働いているように見える。

 9時半から登り始めて、途中の昼食を挟んで13時にはホテルに帰って来られた。幸い雨は戻ってきてから降り始めた。残念ながらマウントクックの頂は見えなかった。

      

     出発            第一の吊り橋       第2の吊り橋

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 14時10分のバスで、クイーンズタウンに向け出発する。途中日も射してくる。南緯45度線を通るとき、下車して記念に写真を撮る。この線は北だと北海道の稚内を通っているという。道理で真夏だというのに寒い訳だ。今年は冷夏だといっているが、クライストチャーチに着いて直ぐに買った、厚手のセーターが手放せない毎日が続いている。

   

     南緯45度線の標識

泊まりのノボテルホテルのレストランで夕焼けを眺めながら夕食をとる。昨日の牛ステーキに続いて、ラムのステーキに舌鼓を打つ。因みに羊の話を一つ(ガイドさんからの聞き書き)。

羊物語  この国にいる4千7百万頭の羊の殆どは、だという。理由は単に、雄は子供を生まないからということだ。それで雄はどうなるかというと、食肉になってしまうか、極くわずか種付け用に命長らえるかのどちらかだという。どちらがいいですかと問われて、種付けと答えても、これも過酷な仕事らしい。出産時期(2ヶ月胎内)が近ずく冬には、100頭の雌に1頭ぐらいで種付けをするという。雄の腹に青いペンキを塗って、雌のお尻にそれが付いていると完了の印になるという。うーん、一日に何頭?と、考えてしまう。残された方も悲惨かも。1歳未満の食肉をラム、3歳未満をホッゲット、それ以上をマトンというそうだ。もちろんラムが一番うまくて高い。となると、必然的に命は1年ということになる。もっとも種類によっては例外もあるそうだ。メリノ種といって良質なウールがとれる種類は、肉質が堅くて食用に適さないので、毛をとるために育てるそうだ。因みに、この種の毛の太さは人の髪の毛が70ミクロンに対し、10〜20ミクロンの細さだという(私がクライストチャーチに着いて直ぐに買った厚手のセーターはこれで、145ドル-約9,000円)。1頭の羊の値段は、3,000円くらいだという。寿命は10年近くだが、6歳を過ぎると毛の質が落ちてくるので、ペットフードに加工されてしまうらしい。偶に黒い羊がいるが、これは突然変異によるものではなくて、先祖返りの現象だという。元々黒かったものを染色上の理由から白いものに品種改良してきたものだ。1,000頭に1頭の割で現れるという。羊はいつ見ても草を喰んでいる。一日17時間はその時間だということだ。