4 私のルーヴル  13 大法官セギエの騎馬像

 

「大法官セギエの騎馬像」

シャルル・ル・ブラン カンヴァス・油彩 112×165cm

フランスが17世紀に、後の時代に古典主義と仰がれる美術を作り上げる上で最も貢献したのは、シャルル・ル・ブラン(1619−90)である。(中略)

この肖像はル・ブランの作品の中でも最も有名で、作品の出来映えも素晴らしい。馬上のセギエを画面中央に据え、その頭部を頂点とするピラミッド状の構図は、モデルの威厳にふさわしい重厚で落ち着いた印象を生んでいる。衣装の襞の表現や、馬のふさふさとした豊かさを感じさせる毛の表現は、彼の光に対する鋭敏な感覚が生んだもので、おそらくイタリアでの研究の成果の現れを、ここに見ることが出来るだろう。

この画面が堅苦しく形式張ったものになることから救っているのは、この光への感覚と共に、華やかではないが柔らかで暖かさを感じさせる色彩と、大法官の従者の少年達のみせるあどけない表情だろう。彼らの視線はまちまちで、堅苦しい役職を遂行しているといった息苦しさなみじんもない。セギエの表情にも、何処か人を和ませるものがある。−朝日美術鑑賞講座3 17世紀バロック絵画@ 大野芳材−から

 

「ヴェルサイユ宮殿鏡の間」

この宮殿の鏡の間の装飾(1679−84年)は、ル・ブランが手がけたもの。彼は長く延びる天井に国王の事績を30のエピソードに描いた。−朝日美術鑑賞講座3 17世紀バロック絵画@ 大野芳材−から

 

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