4 私のルーヴル  15 大工の聖ヨセフ

 

「大工の聖ヨセフ」

ジョルジュ・ラ・トウール 1640年頃 油彩・画布 137×102 cm

光には少なくとも3種類あり、描かれるのもこれに対応して3種類ある。即ち、ひとつは精神的な光明、もう一つは陽光や照明の明かり、そして三つ目は画家の生み出す光輝である。ラテン語のルクスは髪が作った鮮明な輝かしい光をいい、同時にまばゆい日光をも指す。これを語源とするルチアやリュシアンという名前には、「日の出前或いは日中に」生まれたものという意味があり、ルシフェルは堕天使の頭となる以前はその名の通り「光をもたらすもの」であった。

同じくラテン語のルーメンも明かりを意味するが、これは松明や蝋燭などの明かりと目の輝きを指す。ラ・トウールの描く明かりは、恐らくこれら全ての明かりを包括的に表すものであろう。闇に蝋燭の火影が揺らめき、かざした手を浮き上がらせ、子供の身体に照り返っている。−ルーヴル700年の系譜 ルーブル美術館−から

 

 

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